資産所得倍増プランとは

 皆さんこんにちわ。暑い日が続いていますが熱中症対策をしっかりとして備えているでしょうか。こまめな水分補給や炎天下の外では作業を控えるなど熱中症には気をつけていきたいですね。今回は2024年から積み立てNISAが拡充されることに伴い、現在の日本の資産運用状況の実態や投資について少し説明できればと思います。
 まず、現代の日本人の家計金融資産は約2,000兆円といわれていますが、その内半分以上が預貯金で保有されており、株式や投資信託、債券への投資は約244兆円にしかならないことが明らかになっています。また、過去20年での金融資産の増加率をアメリカやイギリスと比較してみると、アメリカは3.4倍、イギリスは2.3倍に増加しているのに対し、日本は1.4倍の増加にとどまっているということです。これを聞いて率直に思ったことは、日本人の方は本当にもったいないことをしているということです。このデータからも預貯金は投資には絶対に勝てないことがうかがえますし、給料が少ないし預貯金が増えないと嘆いている方はそもそもの考え方がずれていると言わざるをえない現状があると言えますね。銀行に全財産を預けていても決して増えることは無く、収入は増えないけれど物価高の影響により資産がただ削られていくのを嘆くだけです。一方で投資信託等で資金を運用していれば、長期・分散・積み立ての効果や福利の効果も相まって資産は少しづつですが着実に増えていくことが期待できます。日本人はお金に対して保守的な考え方があり、どうしても今手元にあるお金を守る事だけを考えてしまう傾向にある方がまだまだ多いのが現状です。また、そもそも投資についてのイメージがギャンブルだと誤解している方も多いようにも感じます。あくまでギャンブル投資といわれるものは単一株式1本投資の短期型取引であり、それは目先の株価で資金の増減が左右され、全財産を投入しようものならその日に全財産を失うということもあり得る大変危険な取引になります。株価の上がり下がりは誰にも分りませんからね。神のみぞ知るというものです。一方安全投資と言われるものは長期・分散・積み立て方式といった長期目線で投資に携わっていくものであり、アメリカ人は手元にあるお金をいかに増やすかを考えている人が多い、その差が金融資産増加率1・4倍と3・4倍となって表れていることが伺えます。投資信託であれば様々な会社の株式を少しずつ購入していくことになりますが、それにより様々な会社に少しづつ資金が巡り、商品開発等に充てることが出来る→新商品が市場で売れたりして業績が伸びる→株価が上がる→会社のブランド力が上がる→投資家にも利益が還元される→資産価値の向上、投資枠の拡大に繋がるといった正のスパイラルを生み出すことに繋がっていく様に思います。つまり、安全投資を始めた時点で日本や世界を始めとした経済における社会貢献に自然に参加できているのです。これはもうやらないことが理解できないぐらいであり、たんすや口座に眠っている預貯金がいかにもったいないかが分かりますね。預貯金はインフレの影響ももろに受けてしまいまい、現代の様な物価高の中では更に価値が減っていますからね。投資によって自身の資産倍増と社会とのウィンウィンの関係の波に乗れるかどうかは安全投資を始めるかどうかにかかっています。但し、いくら投資に資金をつぎ込むと言ってもやはりリスクもゼロでは無いということもお伝えしておきます。手元にしばらく暮らしていけるだけの最低限の資金は用意した上であとは分散投資に回していくことが個人的には好ましいのではないでしょうか。
 日本の岸田政権は上記の事情を踏まえて今の日本の現状を打開すべく資産所得倍増プランを打ち出し、5年間で投資経験者、投資額の倍増を目指しているということです。それが2024年から始まる積み立てNISAの制度改正ということですね。現行制度では積み立てNISAは年間非課税投資枠が40万円、一般NISAは120万円ですが、改正後はそれぞれつみたて投資枠と成長投資枠に変わり、120万円、240万円までが年間非課税投資枠の金額になります。また、非課税保有期間が無期限になったり、非課税保有限度額も1,800万円※内成長投資枠は1,200万円まで(現行は積み立て800万円、一般600万円)と大幅に上がっています。長期・分散・積み立ての安全投資を始めるのはまさしく今しかないと思いますのでこの波には絶対に乗れるようにしたいものですね。

※FPジャーナル2023年7月号 金融庁に聞いた!新しいNISAの改正ポイント徹底解説記事データを参照しています。

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